マルクスの『資本論』はあくまでも資本主義社会の分析を行っているに過ぎず、共産主義社会の分析を行っているわけではない。共産主義が資本主義よりも優れているという考察や証明は行われていない。
マルクスの理論に基づいてレーニンやスターリンが作ったソビエト連邦の共産主義体制は、共産主義を科学だと自称し、他のイデオロギーを非科学的、反革命的だと弾圧したので、労働者階級の解放どころか、結局は人民の自由を抑圧するポスト全体主義体制でしかなかった。階級廃絶を主張していたが、<党官僚>という偽善的な新階級を生み出してしまい、富は公平どころか特権階級に集中した。ミーゼスやハイエクは社会主義、共産主義、ナチズム、ファシズムは同根的な集産主義であり、計画経済や社会主義・共産主義が『独裁制の全体主義』に陥るのは必然的なことだったとの指摘をした。
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また、需給に関する全ての情報が効率的に集められない以上、効果的な計画経済は不可能であるとの指摘(経済計算論争)もある。現実に、道路建設、住宅建設、宇宙事業などの大規模な重厚長大産業では大きな効果を発揮したが、スピードと多様性が要求される情報産業やサービス産業には対応できず(コンピュータネットワークが発達すると、計画経済はコンピュータを活用して初めて可能になるという議論も現れたが、実践の試みであるチリのサイバーシン計画は政権転覆により中絶した)、民需品の品質は低いものが多かった。